脂肪肝~肥満解消・食事と運動で脂肪肝の撃退を~

 肝臓は食事などで摂取した栄養素を代謝してエネルギーを生成し全身に送り出したり、解毒したりしていますが、栄養などを過剰摂取すると肝臓の処理能力が追いつかず、中性脂肪が肝細胞の中にたまって脂肪化していきます。これが「脂肪肝」です。

 脂肪肝の人は、そうでない人と比べて心筋梗塞や脳卒中などの病気のリスクが2倍、慢性腎臓病を発症するリスクも2倍まで高まることがわかっています。また、脂肪肝から肝炎、肝硬変、肝癌と少しずつ進行していく恐れもあります。脂肪肝を放置すると癌や心筋梗塞、腎不全を起こしたりするリスクが高まってしまうのです。

 このような命に関わる病気になる事態を防ぐためには、脂肪肝と診断されたら生活習慣を見直し、まず肥満を解消することが大切です。生活習慣の改善によって肝細胞にたまっている中性脂肪が消費されると肝細胞は正常な状態に戻ります。

 健康診断等で腹部超音波検査を受けた人の30%以上、40歳代から50歳代の男性の場合は40%以上が脂肪肝と診断されているそうです。たかが「脂肪肝」と放置せず、生活習慣の改善や適切な治療で正常な肝臓へと戻しましょう。