高齢者の肺炎 ~元気と食欲が3日なかったら疑おう~

肺炎とは肺に炎症が起こった状態を示す総称で、原因となる病原体は細菌やウイルスなどさまざまです。
肺炎になると一般には、高熱や激しい咳、痰などが出ますが、高齢者ではこうした強い症状が出にくくなります。高齢者の場合は、元気がない、食欲がないが二大症状で、熱は出ても37度前後のことが多いのです。これらは肺炎の特徴的な症状ではなく、高齢者にはよくある症状であるため、治療が遅れ、重症化することが少なくありません。
発症後から治療までの時間は、その後の経過に大いに影響します。発症後すぐに治療開始できれば、抗菌薬の投与で1週間程で治ります。しかし呼吸苦や脱水などの症状が出現する頃になると、肺の炎症範囲は広がっており、治るまでに2~3週間かかり、入院が必要になることも少なくありません。
「元気がない」「食欲がない」の二大症状が3日続いたら、肺炎を疑って早目に受診するようにしましょう。症状がいつから始まったかはっきりしないことが多いので、普段から自身の体調に留意し、いつもと違うと感じたら注意してください。