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インフルエンザと新型コロナウイルス

 インフルエンザと新型コロナウイルスの症状は、発熱/咳/咽頭痛/呼吸苦/倦怠感/関節痛/頭痛など共通しているものが多くあります。
高齢者や糖尿病等の基礎疾患のある人が重症化しやすいのもこの2つの感染症の共通点ですが、新型コロナウイルスは、インフルエンザのような突然の高熱というのは少なく、一般的な風邪のような比較的軽い症状ですむ人が多いのも特徴のひとつです。
インフルエンザでも軽い症状ですむ人はいますが、その割合は現時点では新型コロナウイルスのほうが多いと言えそうです。
 感染症に共通する予防策は、マスク着用/手洗い(手指消毒)を基本とし、3密(密閉/密集/密接)の回避が重要です。
一歩も家から出ず、外(人/物)と接触しなければ感染症を防ぐことは出来ますが、私たち現代人が社会生活を営み、生きていく上で完全に外部接触を断つことは、非常に困難で、非現実的です。
感染リスクをゼロにすることは出来ませんが、適切な感染対策を心掛けることでリスクを減らすことは可能です。
感染対策を実施しながら、可能な範囲で楽しみをみつけつつ、ウィズコロナ時代を乗り切りましょう。

薬の形状について

病気や症状によって、治療法の選択肢を広げ、様々なケースに対応できるよう、いろいろなタイプの薬がつくられています。

*のみ薬→錠剤・粉・シロップなどがあり、「のみやすい」「携帯に便利」
 「保存しやすい」ということから、よく使われる形態。
*注射剤→静脈注射の場合は1~3分で患部へ届くので飲み薬と比べて、はやく効果を発揮する。
*坐剤→肛門から入れるため、直腸から吸収され胃酸などの影響をうけ
 にくい。
*吸入剤→口から吸いこみ肺や気管支に作用。内服より少量で効き目を
 発現させるのが特徴。

薬は体内で効果を発揮するために、この他にも様々な工夫・特徴があり、
医師はその中から個々の症状にあわせ薬を選んでいます。

高齢者の肺炎 ~元気と食欲が3日なかったら疑おう~

肺炎とは肺に炎症が起こった状態を示す総称で、原因となる病原体は細菌やウイルスなどさまざまです。
肺炎になると一般には、高熱や激しい咳、痰などが出ますが、高齢者ではこうした強い症状が出にくくなります。高齢者の場合は、元気がない、食欲がないが二大症状で、熱は出ても37度前後のことが多いのです。これらは肺炎の特徴的な症状ではなく、高齢者にはよくある症状であるため、治療が遅れ、重症化することが少なくありません。
発症後から治療までの時間は、その後の経過に大いに影響します。発症後すぐに治療開始できれば、抗菌薬の投与で1週間程で治ります。しかし呼吸苦や脱水などの症状が出現する頃になると、肺の炎症範囲は広がっており、治るまでに2~3週間かかり、入院が必要になることも少なくありません。
「元気がない」「食欲がない」の二大症状が3日続いたら、肺炎を疑って早目に受診するようにしましょう。症状がいつから始まったかはっきりしないことが多いので、普段から自身の体調に留意し、いつもと違うと感じたら注意してください。

脱水症 ~血液中の塩分濃度も重要です~

激しい運動や外仕事などで大量の汗をかいた場合、水分補給により喉の渇きは癒されますが、塩分濃度の低い飲料の場合は、血液中の塩分濃度が薄まってしまうことがあります。
すると人間の身体は、塩分濃度を元に戻すために塩分濃度の低い尿をたくさん出して、血液の塩分濃度を濃縮(自発性脱水)しようとしますが、これでは脱水は改善されません。
軽い運動や日常生活での通常の汗ならば、普通に食事をしている人の場合は食事で塩分が補えるので「水」や「お茶」で十分ですが、多量発汗時は、体液に近い成分の(塩分を含む)「経口補水液」をおすすめします。汗で出た水分と塩分を補給することが、脱水回復には重要です。
熱けいれん 多量発汗時に水のみ補給し血中の塩分濃度が低下→筋肉のけいれんや手足がつったりします。
熱疲労 多量発汗時に水分補給が不足→全身の倦怠感・嘔吐・頭痛・集中力や判断力の低下が生じます。
 脱水症は水分のみを補給しても、血中の塩分濃度も改善されなければ、状態は回復しないことを理解し、各々の状況に合わせてバランスよく水分と塩分を補給することを心がけましょう!
小さな豆知識45 

ビタミンB12欠乏症  ~認知症の原因になる??~

ビタミンB12は魚貝類や牛・豚・鶏の肝臓(レバー)に多く含まれており、野菜にはほとんど含まれていません。そのため菜食主義者はビタミンB12が不足しやすくなりますが、通常の食事をしている場合は不足することはほとんどありません。
ビタミンB12は神経細胞などの細胞膜の合成に関わっており、不足すると記憶などの情報伝達に問題が生じることがあります。これが認知症の原因となる場合もあるのです。
他にもビタミンB1や葉酸不足も認知症の原因となることがあるので、普段の食生活において、肉・魚・野菜をバランスよく食べることは、とても重要です。
認知症の予防には、規則正しい生活と適度な運動が大切です。難しく考えすぎず、「早寝早起」に「偏りのない食事」と「1日3000~5000歩」を基本に、自分に無理のない範囲で取り組んでください。日常生活から気軽に認知症予防を実践していきましょう!
しかし胃に何らかの障害があったり、胃の消化力が弱くなっていたりすると、栄養素の吸収が妨げられることもあるので、胃の不調を感じた場合は「暑いから」とか「高齢だから」などと安易に考えず、医師にご相談ください。                    小さな豆知識44

咳ぜんそく ~長引く咳にご用心~

 呼吸は苦しくないけど空咳だけが数週間続く…それは咳ぜんそくという病気かもしれません。咳ぜんそくは男性よりも女性に多く、ほとんどが大人になってから発症し、放置すると約3割が気管支ぜんそくに移行すると言われています。
 ぜんそくは気管支の粘膜に慢性的な炎症が起き過敏になる疾患です。過敏になった気管支は、風邪やほこり・花粉といった刺激を受けると粘膜がむくんで気道が狭くなり、空気の流れが悪くなりぜんそく発作が起こります。痰が絡む湿った咳、ゼーゼーヒューヒューといった喘鳴や息苦しさが特徴です。
 これに対して咳ぜんそくは気管支に炎症があるものの、ぜんそくほどは気道が狭くならないため、喘鳴や息苦しさはあまりありません。風邪から発症することが多く、受動喫煙、会話、冷気や暖気、季節の変わり目、飲酒などが刺激となり「コンコン」と乾いた咳が出ます。いったん咳が出ると止まらない、夜や早朝に咳がひどくなる、咳止めが効かない場合は、早めにかかりつけ医や呼吸器内科を受診しましょう。
 咳ぜんそくはぜんそくよりも治りやすい反面、再発しやすい疾患です。自己判断せず、病気を理解し、しっかりと治療しましょう。         

脂肪肝~肥満解消・食事と運動で脂肪肝の撃退を~

 肝臓は食事などで摂取した栄養素を代謝してエネルギーを生成し全身に送り出したり、解毒したりしていますが、栄養などを過剰摂取すると肝臓の処理能力が追いつかず、中性脂肪が肝細胞の中にたまって脂肪化していきます。これが「脂肪肝」です。

 脂肪肝の人は、そうでない人と比べて心筋梗塞や脳卒中などの病気のリスクが2倍、慢性腎臓病を発症するリスクも2倍まで高まることがわかっています。また、脂肪肝から肝炎、肝硬変、肝癌と少しずつ進行していく恐れもあります。脂肪肝を放置すると癌や心筋梗塞、腎不全を起こしたりするリスクが高まってしまうのです。

 このような命に関わる病気になる事態を防ぐためには、脂肪肝と診断されたら生活習慣を見直し、まず肥満を解消することが大切です。生活習慣の改善によって肝細胞にたまっている中性脂肪が消費されると肝細胞は正常な状態に戻ります。

 健康診断等で腹部超音波検査を受けた人の30%以上、40歳代から50歳代の男性の場合は40%以上が脂肪肝と診断されているそうです。たかが「脂肪肝」と放置せず、生活習慣の改善や適切な治療で正常な肝臓へと戻しましょう。