尿検査でわかること

 腎臓は細い血管の塊(糸球体)と尿が流れる細い管(尿細管)が集まった臓器で、血液の濃度や成分を一定に保つため、糸球体で血液中の老廃物や余分な塩分をろ過し、体が必要としている物質を尿細管で再吸収した後、尿として排出します。
 ところが腎臓や他の臓器に異常があると、通常では出てこないはずのたんぱく質や糖などが漏れ出すことがあるので、尿検査は具合が悪い時だけではなく、治療効果や薬の副作用をみるためなどのあらゆる場面で重要な検査で、腎臓はもちろん、他の臓器の異常を発見する糸口にもなるのです。

■主な尿検査項目
【尿蛋白】糸球体腎炎・腎硬化症等の腎疾患・糖尿病性腎症・・・常に陽性(1+以上)なら腎臓に原因がある可能性が高いです。発熱や運動等で一時的に陽性になることもあります。
【尿糖】糖尿病・腎性糖尿・内分泌疾患等に伴う二次性糖尿・・・尿中のブドウ糖を検出するので糖尿病のスクリーニング検査になります。飲食の影響で大きく変動します。
【尿潜血】腎疾患・尿路結石や腫瘍・外傷・・・腎糸球体から赤血球が漏れ出て陽性を示すことが多いが、尿路(腎臓・尿管・膀胱等)の結石や腫瘍による出血が原因のこともあります。

■採尿の注意…採尿時は最初の尿はとらず、少し出したあとの途中からカップに採尿します。このようにして採尿した尿を「中間尿」といいます。
ドリンク剤やビタミン剤、薬剤が検査結果に影響を与える場合があります。