夏場の高血圧

一般に血圧は、冬場は血管が収縮して高めになり、夏場は汗をかいたり、血管が開くために低めになります。通常であれば、血圧が低くなりすぎないように体が反応しますが、高血圧の薬を服用していると、その反応が失われます。そのために急に立ち上がったりした時に、起立性低血圧といって、急激に血圧が低下して、めまいやふらつきを起こすことがあります。特にお年寄りは失神や転倒の危険があるので注意が必要です。万が一心当たりがある場合は主治医に相談してください。

「夏は汗から塩分が失われるので塩分を補給しましょう」とよく言われます。しかし現代の日本人の塩分摂取量は多めの事が多く、体重が減るほどの大汗をかくなどの場合を除き、大量補給が必要なほどの塩分が失われる心配はありませんので、高血圧の人は、夏場といっても、塩分の取りすぎには注意しましょう。

一方、高血圧の人に限らず、水分補給は夏場の健康管理には欠かせません。水分は一度にたくさん取るより、こまめに補給しましょう。特にのどの渇きを感じにくいお年寄りは知らないうちに脱水を起こしていることがよくありますので、時間を決めて水やお茶、白湯などで水分補給をしてください。

熱中症対策でよく勧められるスポーツドリンクはビタミンやミネラルだけでなく、塩分や糖分が含まれています。過剰な糖分は血糖値の上昇や肥満を助長するので注意しましょう。