2008年10月1日『マイタウン麻生』に掲載されました

治癒と寛解
広辞苑によれば「治癒」は病気やけがが治ること、「寛解」は病気そのものは完全に治癒していないが症状が一時的か永続的に軽減または消失することとあります。また、原因の明確な疾病には治癒といえますが、そうでない場合は症状などが消失しても寛解と呼び、永続的な症状の消失には「完全寛解」という表現もできます。近年、関節リウマチの治療において生物学的製剤の登場により、「完全寛解」が可能になってきました。最近の知見では、発病早期の患者さんにメソトレキサートと生物学的製剤の併用療法を導入することで、完全寛解が得られた例があります。                                        副作用の問題もあり安易な使用はできませんし、効果が100パーセントではないものの、「一生リウマチとお付き合いしなければならないのですね」と言う患者さんの質問に、無言で頷く時代は終わったのかもしれません。