風によって運ばれてきた花粉が鼻や目、喉の粘膜などから体内に入ると、体はこれを異物(抗原)と認識し、対抗する免疫たんぱく質(抗体)を作って排除しようとします。この現象を免疫反応といい、体を異物から守る仕組みなのですが、その反応が過剰になると、逆に体に不都合な症状を引き起こします。これがアレルギーです。花粉症は花粉という抗原に対するアレルギー症状なのです。
抗原となる花粉にはスギ、ヒノキ、ブタクサ、ヨモギなどがありますが、なかでもスギやヒノキは日本本土特有に生育する植物で、その花粉には共通の抗原が含まれています。そのためスギ花粉症の8割がヒノキ花粉症を合併しているといわれているので、4月になっても症状が続く場合はヒノキ花粉症を合併している可能性があります。
花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目やのどのかゆみなどが主ですが、頭痛、皮膚のかゆみ、喘息のような咳症状が出ることもあります。花粉の飛散時期にこのような症状が出たら、早めに受診しましょう。花粉症と診断された場合は、アレルギーを抑える内服薬や点鼻薬、点眼薬などによる対処療法で症状を軽減します。
花粉症の既往がある人は、飛散開始の1~2週間前、症状が出る前から内服を始めると予防効果が高くなります。特に、受験や就職などの大切なイベントを控えている人は、早めの対策で症状を抑えることが大切です。